社会 Archive

  • 「ワーキングプア」「派遣切り」という言葉を多くの人が知る時代になった。もっと前から野宿者や派遣労働者に寄り添い、取材を続ける記者がいる。毎日新聞記者の東海林智さんだ。彼が現場に通い続ける理由は何か。

    野宿者や派遣労働者とともに

    「ワーキングプア」「派遣切り」という言葉を多くの人が知る時代になった。もっと前から野宿者や派遣労働者に寄り添い、取材を続ける記者がいる。毎日新聞記者の東海林智さんだ。彼が現場に通い続ける理由は何か。

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  •  死刑。究極の権力行使でありながら、私たち市民がその実態をつかむことは非常に難しい。何重にも張り巡らされた高い壁の向こう側にあるようだ。死刑に関する「情報」に焦点を当てた映像を制作し、様々な角度から法務省の情報公開の在り方を問うた。

    閉ざされた死刑ー法務省と情報公開ー

    死刑。究極の権力行使でありながら、私たち市民がその実態をつかむことは非常に難しい。何重にも張り巡らされた高い壁の向こう側にあるようだ。死刑に関する「情報」に焦点を当てた映像を制作し、様々な角度から法務省の情報公開の在り方を問うた。

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  • 自然豊かな環境の中で、すくすく育つ石垣島の子どもたち。彼らはとにかく元気がいい。ただ、勉強には無頓着だ。島の教育関係者によれば、家庭学習の習慣がほとんどないという。小学校から塾に通うことも珍しくない都市部の子どもたちとは対照的だ。そんな石垣島の子どもたちを、大人はどんな思いで見守っているのだろうか。そこには、石垣島の人々が共有する、ある価値観があった。

    勉強ができなくても「なんくるないさ」
    石垣島の教育観

    自然豊かな環境の中で、すくすく育つ石垣島の子どもたち。彼らはとにかく元気がいい。ただ、勉強には無頓着だ。島の教育関係者によれば、家庭学習の習慣がほとんどないという。小学校から塾に通うことも珍しくない都市部の子どもたちとは対照的だ。そんな石垣島の子どもたちを、大人はどんな思いで見守っているのだろうか。そこには、石垣島の人々が共有する、ある価値観があった。

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  • 「若者と選挙」をテーマにJスクールの学生が準備を進めてきたネット配信番組を7月31日、Ustreamでライブ配信した。番組タイトルは「選挙バージン~政治漬けの日々~」。学生自身が選挙や政治と向き合う日々を追ったVTRを流し、その後、5名のゲスト出演者と共に選挙について生討論を行った。

    インターネット放送:「選挙バージン~政治漬けの日々~」

    「若者と選挙」をテーマにJスクールの学生が準備を進めてきたネット配信番組を7月31日、Ustreamでライブ配信した。番組タイトルは「選挙バージン~政治漬けの日々~」。学生自身が選挙や政治と向き合う日々を追ったVTRを流し、その後、5名のゲスト出演者と共に選挙について生討論を行った。

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  • 大学の教室で、マイク片手に熱弁を振るう教授の話に、学生が耳を傾ける。何の変哲もない光景だが、早稲田大学・早稲田キャンパスのある教室に、両隣の人がペンを走らすノートを目で追って、授業を「聞く」学生の姿があった。両隣の2人は、耳が聞こえない学生のために、教員や学生の話を交替で筆記する「ノートテイカー」だ。

    みんなと同じ授業を耳の聞こえない学生に ―気持ちが伝わるノートテイク

    大学の教室で、マイク片手に熱弁を振るう教授の話に、学生が耳を傾ける。何の変哲もない光景だが、早稲田大学・早稲田キャンパスのある教室に、両隣の人がペンを走らすノートを目で追って、授業を「聞く」学生の姿があった。両隣の2人は、耳が聞こえない学生のために、教員や学生の話を交替で筆記する「ノートテイカー」だ。

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  • 早稲田大学のキャンパスで、放置自転車を再生して貸し出す「レンタサイクル」事業が導入に向けて動き始めた。6月19日、大学生協と、「エコチャリ」の名で各地でレンタサイクル事業を展開している(株)バイクオフコーポレーションが、試験的に実施する方向で基本合意した。どのキャンパスで実施するかは未定だが、早ければ来年度から開始の見通しだ。

    早稲田大学でレンタサイクル導入の動き

    早稲田大学のキャンパスで、放置自転車を再生して貸し出す「レンタサイクル」事業が導入に向けて動き始めた。6月19日、大学生協と、「エコチャリ」の名で各地でレンタサイクル事業を展開している(株)バイクオフコーポレーションが、試験的に実施する方向で基本合意した。どのキャンパスで実施するかは未定だが、早ければ来年度から開始の見通しだ。

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  • 単身者同士が一緒に暮らす「ルームシェア」が、若者の間で急速に広がっている。早稲田駅から徒歩1分、閑静な住宅街にある4階建てのアパート「いなほハウス」もその1つ。1階の1LDK(42平方メートル)で、男子学生8人が共同生活を営んでいる。

    「いつでも気軽に立ち寄って」人気のゆるふわルームシェア・1LDKに学生8人

    単身者同士が一緒に暮らす「ルームシェア」が、若者の間で急速に広がっている。早稲田駅から徒歩1分、閑静な住宅街にある4階建てのアパート「いなほハウス」もその1つ。1階の1LDK(42平方メートル)で、男子学生8人が共同生活を営んでいる。

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  • 早稲田大学にほど近い、大隈通り商店街の中ほどにある「食事処 静(しず)」。人目を引く店構えの学生相手の店が多い中で、格子戸と縄のれんの外観が落ち着いた感じのお店である。まわりの店舗は開店したり閉店したり、どんどん移り変わっているのに、「静」は約40年にわたって、いつもそこにいる。

    40年の変わらない家庭の味 「食事処 静」

    早稲田大学にほど近い、大隈通り商店街の中ほどにある「食事処 静(しず)」。人目を引く店構えの学生相手の店が多い中で、格子戸と縄のれんの外観が落ち着いた感じのお店である。まわりの店舗は開店したり閉店したり、どんどん移り変わっているのに、「静」は約40年にわたって、いつもそこにいる。

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  • 1920年に開店した神崎洋服店は今、早稲田大学の早稲田キャンパス周辺に残る最後の洋服店だ。西早稲田商店街の2階建ての建物で、看板は昔のまま。だが、学生が学生服を着なくなり、紳士服も安売り店に押されて、商売は厳しい。後継者もいず、「これからどうなるか私も分からない」とオーナーの神崎和通さん(70)。最後の洋服店も、いずれ消えていくのだろうか

    早稲田最後の洋服店/学生服とともに、90年の盛衰

    1920年に開店した神崎洋服店は今、早稲田大学の早稲田キャンパス周辺に残る最後の洋服店だ。西早稲田商店街の2階建ての建物で、看板は昔のまま。だが、学生が学生服を着なくなり、紳士服も安売り店に押されて、商売は厳しい。後継者もいず、「これからどうなるか私も分からない」とオーナーの神崎和通さん(70)。最後の洋服店も、いずれ消えていくのだろうか

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  •   早稲田大学・早稲田キャンパスの東門から、神田川の桜並木に沿って1分くらい歩くと、二つの木造屋敷が新緑の中にたたずんでいる。染色工房の「富田染工芸」と、「東京染物がたり博物館」だ。博物館は、日本で唯一の小紋専門の博物館。ここでは、日本の伝統的な染色技法、「東京染小紋」と「江戸更紗」を守り続けている。

    「日本の伝統文化の素晴らしさを知って」/ 江戸小紋一筋150年、東京染物がたり博物館

    早稲田大学・早稲田キャンパスの東門から、神田川の桜並木に沿って1分くらい歩くと、二つの木造屋敷が新緑の中にたたずんでいる。染色工房の「富田染工芸」と、「東京染物がたり博物館」だ。博物館は、日本で唯一の小紋専門の博物館。ここでは、日本の伝統的な染色技法、「東京染小紋」と「江戸更紗」を守り続けている。

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  • 東京・代々木に今年4月、アート雑貨の店がオープンした。店長は、サラリーマンを辞めて挑戦する葛原信太郎さん(23)。店は「共有空間」という「アートでつながる世界」を目指す団体の活動拠点も兼ねる。「TetotE(てとて)」という店名には、人と人とが「つながる」ことへの思いが込められている。

    「つながる」楽しさをアートで

    東京・代々木に今年4月、アート雑貨の店がオープンした。店長は、サラリーマンを辞めて挑戦する葛原信太郎さん(23)。店は「共有空間」という「アートでつながる世界」を目指す団体の活動拠点も兼ねる。「TetotE(てとて)」という店名には、人と人とが「つながる」ことへの思いが込められている。

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  •   25歳のとき、原因不明の精神病を患っていた妹が死んだ。深田雄志さん(30)が、神戸大学の医学部を卒業し、医療コンサルタントとして働いていたときのことだ。兄として頼りにされていたし、医療の知識もあった。なのに救えなかった。「医者に頼るだけではなく、患者を中心に周囲が支える医療がもしあれば」。痛切な思いを胸に、2007年、任意団体「ブルーバード」を設立し、患者を支えるネットワークづくりを目指している。

    妹の死を機に患者中心の医療を目指す

    25歳のとき、原因不明の精神病を患っていた妹が死んだ。深田雄志さん(30)が、神戸大学の医学部を卒業し、医療コンサルタントとして働いていたときのことだ。兄として頼りにされていたし、医療の知識もあった。なのに救えなかった。「医者に頼るだけではなく、患者を中心に周囲が支える医療がもしあれば」。痛切な思いを胸に、2007年、任意団体「ブルーバード」を設立し、患者を支えるネットワークづくりを目指している。

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  •  靖国神社。それは幼くして父と別れた杉本とめ子さんにとって、父と会える唯一の場所であった。戦中、戦後の激動を生き抜いた杉本さんは、父と「再会」を果たし、こう漏らした。「よく生きてこられた」と。

    無言の父と靖国神社での再会

    靖国神社。それは幼くして父と別れた杉本とめ子さんにとって、父と会える唯一の場所であった。戦中、戦後の激動を生き抜いた杉本さんは、父と「再会」を果たし、こう漏らした。「よく生きてこられた」と。

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  •  埼玉県ふじみ野市のごく普通の民家に、統合失調症を抱える人々のための交流の場がある。患者の家族会「ウィズネット」を運営母体とする精神障がい者施設、「ライトハウス」だ。4年前に立ち上げた一人が、施設長の伊藤久子さん(65)。目指すのは、自立を目指す利用者のより所となる「灯台」だ。写真右は施設長の伊藤久子さん、左は副施設長の西山しめ子さん。

    統合失調症患者に憩いの場を

    埼玉県ふじみ野市のごく普通の民家に、統合失調症を抱える人々のための交流の場がある。患者の家族会「ウィズネット」を運営母体とする精神障がい者施設、「ライトハウス」だ。4年前に立ち上げた一人が、施設長の伊藤久子さん(65)。目指すのは、自立を目指す利用者のより所となる「灯台」だ。写真右は施設長の伊藤久子さん、左は副施設長の西山しめ子さん。

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  • ファッションジャーナリストという仕事には、あまり馴染みが無い人も多いかもしれない。どこに足を運び、何を取材するのか。その仕事の魅力と、ファッション業界における最新の話題を、ファッションジャーナリスト・藤岡篤子さんに聞いた。

    服で世の中をハッピーに

    ファッションジャーナリストという仕事には、あまり馴染みが無い人も多いかもしれない。どこに足を運び、何を取材するのか。その仕事の魅力と、ファッション業界における最新の話題を、ファッションジャーナリスト・藤岡篤子さんに聞いた。

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  • 「遺伝子が男性の性格を左右し、結婚生活に影響を及ぼす」という研究結果が報道された。科学の力で「浮気をせず、自分だけを一生大切にしてくれる白馬に乗った王子様」を見つけることはできるのだろうか。

    白馬に乗った「誠実な王子様」を見分ける方法?

    「遺伝子が男性の性格を左右し、結婚生活に影響を及ぼす」という研究結果が報道された。科学の力で「浮気をせず、自分だけを一生大切にしてくれる白馬に乗った王子様」を見つけることはできるのだろうか。

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  • パブリックコメント(意見公募手続)の制度で、経済産業省など4府省が、公募結果の公示を半年以上怠る行政手続法違反をしていたことが、J-School取材班の調査で分かった。違反事例34件のうち31件は経産省で、結果公示が3年以上(1,258日)遅れる長期事例もあった。意見公募手続の問題は、2009年2月、取材班が「Spork!」で報道し、管轄する総務省が各府省に注意を促していた。経産省などは、今年3月初め、取材班の記者(院生)が問い合わせた後に相次いで結果を公示しており、昨年の発覚後も違反事例を放置していた実態が見えてきた。

    意見公募制度、経産省が31件の行政手続法違反
    結果公示で最長3年以上の遅れ、昨年2月に問題化した後も放置

    パブリックコメント(意見公募手続)の制度で、経済産業省など4府省が、公募結果の公示を半年以上怠る行政手続法違反をしていたことが、J-School取材班の調査で分かった。違反事例34件のうち31件は経産省で、結果公示が3年以上(1,258日)遅れる長期事例もあった。意見公募手続の問題は、2009年2月、取材班が「Spork!」で報道し、管轄する総務省が各府省に注意を促していた。経産省などは、今年3月初め、取材班の記者(院生)が問い合わせた後に相次いで結果を公示しており、昨年の発覚後も違反事例を放置していた実態が見えてきた。

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  • ジャーナリズムコースの取材班による2年続けての調査取材で、政府のパブリックコメント(意見公募手続き)制度が、適切に運営されていない現実がはっきりしてきた。原因として、各府省の運営が適切かどうかを調べる「チェック体制の不備」や、国民の意見を取り扱う各府省関係者の「責任感の希薄さ」といった点を指摘できる。

    解説 法律違反改まらない政府の意見公募制度  チェック体制の充実と府省関係者の意識改革が必要

    ジャーナリズムコースの取材班による2年続けての調査取材で、政府のパブリックコメント(意見公募手続き)制度が、適切に運営されていない現実がはっきりしてきた。原因として、各府省の運営が適切かどうかを調べる「チェック体制の不備」や、国民の意見を取り扱う各府省関係者の「責任感の希薄さ」といった点を指摘できる。

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  • 2009年10月に開催された第59回日本アレルギー学会秋季学術大会において、赤ちゃんの腸内細菌とアレルギー発症との関係について講演した中山二郎・九州大学准教授に聞いた。

    赤ちゃんの腸内細菌とアレルギー防止の関係がみえてきた

    2009年10月に開催された第59回日本アレルギー学会秋季学術大会において、赤ちゃんの腸内細菌とアレルギー発症との関係について講演した中山二郎・九州大学准教授に聞いた。

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  • お正月と聞けば日本人は、初詣やおせち料理と言った楽しい行事とともに、鬱陶しい帰省ラッシュのことも思い出すだろう。しかし、中国の旧正月における帰省ラッシュは、日本の比では無い。毎年、深刻な帰省ラッシュに悩まされている中国では、今年から鉄道チケットを実名で購入する制度を試行することになった。

    旧正月に始まる鉄道チケットの実名購入制度

    お正月と聞けば日本人は、初詣やおせち料理と言った楽しい行事とともに、鬱陶しい帰省ラッシュのことも思い出すだろう。しかし、中国の旧正月における帰省ラッシュは、日本の比では無い。毎年、深刻な帰省ラッシュに悩まされている中国では、今年から鉄道チケットを実名で購入する制度を試行することになった。

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