被災地取材、「マスコミが伝えないことを」

  ウェブ上のニュースサイト「ニコニコニュース」の記者として、東日本大震災の被災地を取材した丸山紀一朗さん(24)は、ジャーナリズムを勉強する早稲田大学の現役大学院生だ。「マスコミがやらないこと、でき…

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  ウェブ上のニュースサイト「ニコニコニュース」の記者として、東日本大震災の被災地を取材した丸山紀一朗さん(24)は、ジャーナリズムを勉強する早稲田大学の現役大学院生だ。「マスコミがやらないこと、できないことを、自分がやっていきたい」との思いから、取材・発信を続ける。

  「ニコニコニュース」に書いた記事は、昨年12月からの半年間で33本に上る。今年5月3日には、東日本大震災で津波の被害を受けた宮城県石巻市伊原津地区に入った。震災から1ヶ月半が経つのに、がれきはほぼそのままで、民家にはヘドロがあふれていた。約90人のボランティアが参加して、がれきやへどろに埋まった魚を拾い出し、袋に詰める「魚回収プロジェクト」を取材した。「あんなにひどい臭いの中、無報酬で、人のために働く人達がいるのを素直にすごいと思った」。記事のタイトルは「『魚の腐敗臭どうにかして』/被災地・石巻で『魚回収プロジェクト』始動」。ほかにも、「大学グラウンドの『「テント村』授業開始後もそのままに 宮城県石巻市」などの記事を書いた。

  学生としては、早稲田大学政治学研究科ジャーナリズムコースに在籍している。ジャーナリズムの影響力は大きいと思い、「メインストリームの情報以外のところからもっと変化を与えるような役割を果たしたい」と考えたという。昨年秋には大学で、「これからのメディアと検察の話をしよう」という討論会も企画した。フォトジャーナリズム月刊誌「DAYS JAPAN」のイベントを手伝うこともある。「多くの人の目が向かないところ、注目されていない活動、少数の人たちの考え方を発信したい」

  来春の卒業後は、株式会社キャリアブレインに就職する。「CBnet」という医療・介護従事者向けの転職、求人情報サイトで、ニュース配信を担当する記者になる予定だ。「社員が少なく、平均年齢も若いところにひかれました。何か新しいことに取り組めそう」と、意欲満々だった。

 

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※この記事は、2011年度J-School春学期授業「ニューズルームD(朝日新聞提携講座)」(林美子講師)において作成しました。

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