2011年2月22日
丸山紀一朗
同世代、22歳・2児の母に聞く「子育て生活」 伊東えりか(主婦、22歳)
数年前から徐々に、友人の出産の話を聞くようになった。その度に、私自身もいつか子どもを育てることになるのだろうとは思う。しかし、実際に彼ら彼女らはどういう毎日を過ごしているのか。子育て生活では何に喜びを感じ、何が辛いのか。22歳で2児の母であり、4年間子育てを経験してきた、友人の伊東えりかさんにあらためて聞いた。
2011年2月22日
丸山紀一朗
数年前から徐々に、友人の出産の話を聞くようになった。その度に、私自身もいつか子どもを育てることになるのだろうとは思う。しかし、実際に彼ら彼女らはどういう毎日を過ごしているのか。子育て生活では何に喜びを感じ、何が辛いのか。22歳で2児の母であり、4年間子育てを経験してきた、友人の伊東えりかさんにあらためて聞いた。
【伊東えりかさん略歴】
1987年生まれ。2006年、アルバイト先で知り合った16歳年上の男性と結婚。当時、都内の私立大学への進学が決まっていたが、妊娠がわかり、大学には通わないことに。同年11月に長男を、2年後には長女を出産し、現在は家族4人で都内に暮らす。
——今年で結婚生活、子育て生活共に丸4年。4年経ってみてどう?
4年、早いね。早いよ。
——子どもを産んでよかった?
産んでよかった。かわいいよ。ときどきイラッとするけどね(笑)。
——イラッとするのはどんな時?
小さいイライラがたくさん。例えば「お腹空いた」って言うけど、ご飯の用意できたときにはもう寝てるとか。
——子育ては疲れる?
最近は、疲れすぎて口唇ヘルペスができちゃった。病院で原因はストレスって言われた。
——一番嬉しかったことは?
最近はお弁当を作って持たせてて、家に帰ってくると自分でお弁当箱をカバンから出して「ママ見てー全部食べたよ。ママ嬉しいでしょ?」って言われるのが嬉しい。
——何て答えるの?
「わー全部食べたんだぁ、偉いねぇ!」って(笑)。
——お弁当作るときに何か意識してる?
冷凍食品を入れないようにしてる。今日も冷凍食品ゼロだよ。
——どれくらいの頻度でお弁当作るの?
多くても週2回かな。毎日じゃ、私の身体がもたない。
——普段の一日の流れを教えて。
8時に起きて、10時に(長男を)送り出す。帰りにバス停に迎えに行くのが3時半。それで4時からの子ども番組を見せて、その間にお風呂沸かして洗濯物取り込んで、5時にお風呂入るでしょ、(両手を広げて)3人で(笑)。
——5時にお風呂って決まってるの?
決めておかないと子どもの体力がもたないよ。幼稚園でけっこう疲れて帰ってきてるから、時間を少しでも遅くすると寝ちゃうの。6時くらいに夕飯なんだけど、食べながら寝ちゃうこともある(笑)。
——スピード勝負だね。
そう、だから夕方が一番忙しい。「戦闘開始!」みたいな感じ(笑)。
——昼間は何してるの?
昼間はまだゆっくりできる。1人(長女)くらいなら連れて出かけられるし。家事が早く終わった日には、「家庭支援センター」っていう屋内遊戯場みたいなところに出かけて遊ばせる。(長女は)まだ他の子とコミュニケーションが取れないから、私が一緒に遊んであげる。
——2人とも寝るのは何時?
長男はけっこう早くて、8、9時くらい。長女は、私と一緒にずるずる起きてて寝るのは10時くらいかな。そしたら「あー今日も終わった」って思える(笑)。
——ママ友(子どもを持つお母さん同士の友達)はいる?
長男が幼稚園に入る前には、同い年と一つ上のママ友が3人いた。mixi(ミクシィ)で、相手の地域と年代を指定して、フリーワードに「ママ」って入れて検索して探したの。一緒に子ども連れて出かけたりしたけど、幼稚園が始まるとそれぞれ住んでる地域が離れてるから、みんなバラバラになってしまって。
——公園なんかではできないの?
その場限りで世間話をしたりはするけど、年代が違ったりすると話の内容やリズムが合わないこともある。だから、無理にママ友を作らなくてもいいのかな。
——自分の人生に後悔はない?
満足してる。むしろこうなってよかった。
——同年代の学生とか見てどう思う?
大学ではレポートに追われてとか、就活では面接がうまくいかないとか、友だちの近況を聞くと、みんな頑張ってるな大変だろうなと思う。それを考えると、そこまで育児は大変じゃない。誰かに怒られることもなく、期限もないから。
——高校卒業前に妊娠が分かったときは驚いた?
びっくりした。けど嬉しかった。病院でも「産みます」って即答した。早く自分の家庭が欲しかったの。夫にも「大学いかないで後悔しない? 行ってからでも遅くない」と言われたけど、大学はもういいから産むって決めた。元々どうしても大学行きたかったわけじゃないし、もし休学にしても、後からきちんと通えないと思って。
——子育てをしてみて、自分に何か変化あった?
全てが子ども中心になる。バリアフリーで、エレベーターついてて、トイレにおむつ替える場所がないとダメ。これを考えると、表参道とか竹下通りとかよりは、百貨店やデパートの方が出かけやすい。最近はネットショッピングにもはまってる。
——どういう風に育ててる?
私の場合スパルタ。夫が遅い歳で生まれた子どもだからすごく甘いの。子煩悩。おもちゃ欲しいって言われれば、何でも買ってあげちゃうし。
——でもあんまり怒ると嫌われないかって心配にならない?
四六時中一緒にいるから、嫌われようがないよ。でも、子どもがやりたいって言うことは何でもやらせてあげたい。私ができなかったから。
——できなかった?
みんながバレエとかピアノとかの習い事をしてて、私も何かやりたかったの。ずっとやりたいやりたい言ってきて、小学4年になる前の春休みにやっと願いがかなって、それが塾だった(笑)。でも嬉しかったの、初の習い事だったし。この経験があるから、子どもには何でもやらせてあげたいと思ってる。
【取材を終えて】
常に子どもが隣にいる。長女とは、朝から晩まで一緒に過ごす。インタビューをしたレストランでは、はじめの数十分で食べ終わり、テーブルの下に潜って遊ぶ。そうかと思うと、いつの間にか眠りこけていた。子どもとは、なんと不思議な存在なのだろう。自分とイコールではないけれど、ほとんど一心同体。子を持たないと抱けないであろう「親」の感情や視点を、同じ年に生まれた友人から学ぶという、実に不思議な時間だった。
※この記事は、2010年度J-Schoolの授業「ニューズルームE」において作成しました。