20110714

在日中国人の権利を守っていく

東京華僑総会は、日本に住む中国系の人々を支援する団体だ。会長の廖(りょう)雅彦さん(66)は、来年から施行される改正入国管理法に強く憤り、日本政府に反対の陳情をしてきた。「私たちも日本に住み永住権を持っている以上、日本人と同じ待遇にすべきで

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  改正法では、永住外国人が日本に入国するとき、職業など詳しい個人情報を明記した「在留カード」を持たなければならなくなる。2007年にも法改正があり、永住外国人は入国時、指紋押捺と顔写真の撮影が義務づけられた。「指紋を取るのは、そもそもテロ防止のためです。日本人は取らないのになぜ永住外国人は取られるのですか?」

  台湾出身の父親は20代で来日。アルバイトをしながら1940年に開催される予定だった東京五輪を見ようと思っていたが、日中戦争の深刻化で五輪は中止。その後、日本人女性と知り合って結婚した。戦後、中国共産党に敗れた国民党政府が台湾に移ると、共産党支持者だった父親は台湾に戻れなくなった。廖さん自身は中華学校に通わず、日本人に交じって育った。

祖国のためにできること

  「祖国」中国への思いを深めたきっかけは、高校卒業後、大学受験に集中しようと、中国人留学生が集まる「後楽寮」(東京都文京区)に入居したことだ。留学生たちの来日目的は、中国の社会主義建設に貢献することだった。その熱意に影響を受けて、自分も中国の国家建設に役立ちたいと思うようになった。明治大学を卒業後、父親の後を継いで東京華僑総会の職員になった。

  総会の主な業務は、在日中国人向けの証明書の発行だ。親族関係を示す書類や国籍、華僑などの証明書、ビジネス関係の文書などを取り扱っている。今年3月の東日本大震災の日は、帰宅できなくなり、華僑の仲間たち20人と東京・銀座にある華僑会館に宿泊した。「大変な状況だったが、それでも日本に残ります。長年住んでいて、自分が愛する場所だから」。3人の子供はそれぞれ独立した。仕事についてあれこれ言うつもりはないが、できる範囲で中日友好につながるような仕事をしてほしいと願っている。

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※この記事は、J-Schoolの2011年度前期講義「ニューズルームD(林美子先生)」において作成しました。

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