2009年12月29日
記事・写真 陳麗娜、陳雅賽
学生がカフェ経営 「ぐぅ」な試みで地域貢献
古い町並みが残り、「家プロジェクト」が展開される直島・本村地区。「和cafeぐぅ」はその一角の古民家を利用して3年前に開店した。高松市にある香川大学の学生たちが出資し、自分たちで店を経営する「学生ベンチャー」のカフェである。店内に「和cafeぐぅ」の三代目店長、下田達郎さん(22)=香川大学経済学部4年生=に話を聞いた。
2009年12月29日
記事・写真 陳麗娜、陳雅賽
古い町並みが残り、「家プロジェクト」が展開される直島・本村地区。「和cafeぐぅ」はその一角の古民家を利用して3年前に開店した。高松市にある香川大学の学生たちが出資し、自分たちで店を経営する「学生ベンチャー」のカフェである。店内に「和cafeぐぅ」の三代目店長、下田達郎さん(22)=香川大学経済学部4年生=に話を聞いた。
3年前、香川県直島にはレストランやカフェはほとんどなかった。この島で求められるのは休憩する場所と考えた下田さんの先輩たちが、カフェ経営を思いついた。利益より、地域のにぎわいに貢献したいという気持ちが強かった。名前の「ぐぅ」は、「出会う」や「もてなす」という意味がある「遇」という字と、空腹の時のおなかの音「ぐぅ」に由来している。
いま下田さんは、平日は大学に通い、土日、祝日に「和cafeぐぅ」に来る。他のスタッフも同様だ。約34人の学生が店内を動き回る。 飲食店は「食材」と「食品」がキーワードだ。「和cafeぐぅ」も商品開発に積極的に取り組む。島とつながり、地域に貢献し、直島特有の料理を作る。できるだけ直島の新鮮な食材を使う。「地元の自産自消であり、環境に配慮した店だという点も一つのアピールです」と下田さんは言う。
「和cafeぐぅ」の学生はボランティアではなく、経営者だ。カフェに興味がある学生は1人1万円を資本金として支払い、店に加入する。バイト代はでないが、仕事の回数に応じて、毎年、配当が渡される。多い人で年3万円ぐらい。お店は黒字経営となっている。
店長は1年ごとに変わり、スタッフも更新される。来春就職する下田さんはこう言った。 「学生の中で議論し、実際にやってみて、大きなミスを犯したりして、そこから始めて、いろいろなことを学ぶ。人間関係もあるし、社会を出る前に、すごくいい経験になる。それはお金に代えられない。何よりも宝物かなと思います」
●リンク:「和cafeぐぅ」
※この記事は、09年夏の「直島・豊島インターンシップ(ベネッセ、直島福武美術館財団など協力)」で、瀬川至朗先生の指導のもとに作製しました。