「CoSTEP2.0」に参加して

 3月17日土曜日、北海道大学理学部の大教室で北海道大学科学技術コミュニケーター養成ユニット(CoSTEP)の作品発表会が開かれた。戻り寒波で雪のちらつく中、会場に集まったのは、受講者の家族の小学生からシニア世代まで、関係者を含め約100名。CoSTEPは、本科生と選科生各30名が参加する1年制のプログラムだ。今回は、本科生にいずれかへの参加が義務付けられている実習の成果が発表された。
 以下、その発表会の様子をお届けする。

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 まず発表の口火を切ったのは、ラジオ制作チーム。このチームの活動は、ラジオ番組の1コーナーの企画から始め、最終的には番組全体の企画・制作を行うというものだ。コミュニティFMで毎週土曜日に放送される30分番組「かがく探検隊コーステップ」の企画制作を担当したのは、CoSTEPの6名。「地球をバスケットボールとすると、冥王星はピンポン玉」などというタイトルのなかで、ラジオ向けに表現を工夫していったエピソードが紹介された。またポッドキャスティングでの聴取者が増加中であるなど、新しい可能性への期待も語られた。  

 ウェブ制作実習の11名は「さっぽろサイエンス観光マップ」を制作している。このサイトは、「場所と科学を結びつける」をコンセプトに、街なかのちょっと不思議なこと気になることを、科学の切り口から、場所とリンクさせて紹介するものだ。昨年来の記事が106本、アクセス総数は63000件超。現在では、新たにマップ制作のノウハウを「クックブック」にまとめて発行しているという。さらに今後は、選科生を中心に「小樽版」を作成する予定ということだった。  

 12名の受講者が担当したのが、「サイエンスカフェ札幌」の企画運営だ。「サイエンスカフェ札幌」とは、札幌駅隣の紀伊國屋書店で毎月開催されている、書店に来た人が気軽に参加できる科学子コミュニケーションの実践活動だ。  

 色弱、エキノコックス、ノルディックスキーなどの幅広いテーマを題材に開催し、広報活動も受講者自身が行っている。毎回100名程度の参加者があるものの、シニア世代が多く高校生や20代などの若手が少ないという悩みも報告された。  

 発表はどれも、熱くて一生懸命。楽しくて仕方がない、という受講者の熱気が伝わる発表会であった。

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