Fan Fun東京

外国人の留学生・観光客向けフリーペーパー 『Fan Fun東京』を制作

J-Schoolの2015年秋学期「雑誌編集入門B」(担当教員・稲垣太郎講師)が外国人観光客や日本に住む留学生を読者ターゲットにしたフリーペーパー「Fan Fun東京」を完成させた。フリーペーパーの内容(PDF版)と、その制作者である学生たちを、稲垣講師による紹介文でお届けする。

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フリーペーパーのPDF版はこちら 

Fan Fun東京

外国人の留学生・観光客向けフリーペーパー 『Fan Fun東京』を制作

早大非常勤講師 稲垣太郎

 早稲田大学大学院Jスクールの秋講座「雑誌編集入門B」(担当教員・稲垣太郎)では、毎年フリーペーパーの制作を行っている。2015年度は、想定読者層を外国人観光客や日本に住む留学生に絞った。2020年の東京オリンピック・パラリンピックを前にして、多くの外国人に東京という街をもっと楽しんでほしいと願い、企画した。

 題名は『Fan Fun東京』。東京を好きになってもらい(Fan)、楽しんでもらおう(Fun)との狙いである。

 履修生は中国人女子留学生2人と日本人男子学生2人。育った生活文化の異なる4人がそれぞれ魅力を感じる東京のスポットを取材し、紹介している。

 江蘇省出身の汪佳琳さんは、美しい紅葉を求めて、ミシュランで三ツ星を獲得した秋の高尾山を散策。あえて斜面が急で、登山客が少ないコースを選んだ。山頂にたどり着き、十三州見晴らし台から眺める絶景をリポートした。下山途中の薬王院にかかる絵馬を見ると、ブラジルやシンガポール、ベトナム、中国など、海外の登山客が多く訪れている様子がうかがえた。

 映画をこよなく愛する若林良さんは、神田神保町の専門雑誌『映画芸術』編集部を訪れ、編集部員にインタビュー。書籍のイメージが強い神保町だが、この町が「映画のカルチャー」という横顔を持つ事実を知らせている。また、気軽にぶらりと立ち寄って楽しめる神保町のおすすめスポットもまとめた。

  武漢市出身の程嘉伊さんは、自他ともに認める日本アニメとドラマのオタクだ。「聖地巡礼」と題し、アニメの代表作『千と千尋の神隠し』のモデルスポットである江戸東京たてもの園(小金井市)を現地リポート。ドラマでは、フジテレビが2015年1月に放映した真木よう子主演の『問題のあるレストラン』を取り上げた。男社会の壁がまだ厚い現状を訴える内容に共感を覚えたからだという。

  佐久間太郎さんは、江戸時代の伝統的なものづくりの現場として東京染小紋を取り上げた。体験教室の門を叩き、実際に型紙を使った紋様を施す型付けの作業にチャレンジ。1人前になるまで10年かかるといわれる、慎重さと大胆さが求められる仕事である。こうした体験教室にも外国人の入門者が目立ってきたそうだ。染色に欠かせない川水を追って、浅草などから、神田川が流れる高田馬場にたどり着き、さらに川の汚染により現在は地下水と雨水を活用している現状から、自然を破壊しないように伝統を守ることの難しさを痛感したという。

  フリーペーパー制作とはいえ、印刷するまでの予算はない。半年15回の授業では、発行する手前までの作業に留まらざるを得ない。ただし、新たに簡易な編集ソフトを使って、履修生自らが紙面編集に挑み、完成させた意味は大きい。4人による「日中合作」の成果を楽しんでいただければ幸いだ。

 

 

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