MAJESTy’s BOOT CAMP体験記

 はじめまして。この春よりMAJESTyで学ぶことになりました、新入生の竹谷知永子です。北九州市にて行われたMAJESTy’s BOOT CAMP in 九州に参加しました。このイベントは、一般の方々を対象に、普段MAJESTyで行われている講義をオムニバス形式で行う集中講座です。ブートキャンプの名の通り、脳みそをビシバシ鍛えられた2日間でした。今回は受講生の一人として、MAJESTy’s BOOT CAMP in 九州をレポートしたいと思います。

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Boot Camp 1日目

 日程は3月15日(土)と16日(日)。JR小倉駅の北側、駅の2階部分からつながる歩く歩道の先に、AIMという大きなビルがあります。その7階の一角が今回の会場となった北九州市立大学小倉サテライトキャンパスです。入るとすぐに事務所があり、左手のドアを開けると教室があります。50人ほど座ることができるでしょうか、さっぱりしていてきれいな教室だなと思いました。普段ここは、北九州ビジネススクール(北九州市立大学大学院マネジメント研究科)の授業が行われています。

 

 今回のMAJESTy’s BOOT CAMPの受講生は15名。大学院生、会社員、記者、経営者、大学教授などさまざまでした。年齢は20代から、50代くらいの方まで幅広く、男性と女性の比率はほぼ半々でした。参加されるのは全員九州の方と思っていましたが、東京から来た方が何人かいらっしゃったことに驚きました。授業中たくさんの質問や意見が出て、受講生の方の興味関心の高さを感じました。

 

 MAJESTy’s BOOT CAMPでは早稲田大学MAJESTyの教員が授業をするのですが、今回ひとつだけ北九州市立大学の教員による授業がありました。宮下 永教授の「持続可能性について–地域の取り組みにかかわる中で–」です。教授は財団法人北九州産業学術推進機構の産学連携センター長として、北九州市の環境首都作りに関わっています。これは持続可能な社会をつくるための活動です。

 

 北九州市は鉄鋼業をはじめとした工業が盛んな街です。今回の会場からも港をよく見渡すことができ、工場の建物や煙突がずっと向こうのほうまで並んでいるのが見えました。工業が発展するとともに公害も発生することもあります。北九州市は公害問題そして環境問題について長い間取り組んでいる街でもあるのです。宮下教授によると、持続可能な社会づくりに必要なのは産業・行政・大学・市民・NPO等の効果的な連携とのことです。そのためには、みなが情報を共有することが大切です。そしてその情報を伝える科学技術ジャーナリストの役割がさらに重要となるとのことです。科学技術ジャーナリストに対する期待を感じることができました。

 

Boot Camp 2日目

 2日目、私が特徴的で面白いと感じたのは「科学ライティングの基本」です。担当はサイエンスライターとして活躍する青山聖子講師です。あらかじめ自分で記事を書いて授業にのぞみます。月刊の科学雑誌の記者になったつもりでコラム記事を書くのです。授業中はお互いの記事を読み、意見を交換します。また、書いた記事は青山講師に添削してもらいます。今回の課題は再生紙偽装。大手製紙会社が古紙の配合比率を偽っていたことが今年1月ごろに発覚し、話題になりました。

 

 受講生の方々の記事を読んだところ、ひとつのテーマについて書いたのに、書く人によって全然違います。切り口や着眼点、表現の仕方も十人十色です。また、それぞれの記事について、みなで意見を出し合いました。同じ記事に対して読み手によってとらえかたが違うということを知りました。ある人は説明がしっかりされていて良いと言い、またある人は堅苦しくて読みづらいと言ったりします。読んだ人の知識や立場、意見が異なるからではないかと思います。

 

 また、うまく伝わる文章を書くためのポイントは相手の常識に合わせて書くことだと教わりました。それに、みなそれぞれ自分の文章にはパワーがあるので、それを大事に育ててほしいとのことでした。私はこれから2年間ジャーナリズムを学びます。記事もたくさん書くと思います。私に記事なんて書けるのかな、大丈夫かなと思います。でも勇気を持って一歩を踏み出そうという気持ちになることができました。 

 

この二日間を振り返って

 最後に余談ですが、授業後に講師や受講生の方々とお食事をしながらお話しする機会にも恵まれました。みなさんよくしゃべるのです。九州のおいしいお酒を片手に、ずっと話し続けます。普段の家族や友達とのおしゃべりでは話すことのないような話題も盛りだくさん。最近の社会情勢のこと、科学技術のこと、ジャーナリズムやメディアのこと、大学のことなどさまざまです。私は、おつまみ食べ食べ皆さんの議論を聞いていただけで、シナプスがつながったような気がしました。楽しくてためになる2日間でした。