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コラム:環境にいい観光客になろう

 観光地に居住する人にとって、「観光客がマナーを守るか守れないか」というのは一番悩んでいる問題だと思う。観光客が増えると、地元の観光事業にも経済にもプラスの面がある一方、観光客が増加するにしたがい、環境にマイナスの影響がでることが予想されるから

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観光客と直島

 私が生まれた中国では、観光地の多くが、いま深刻な環境問題を抱えている。有名な観光地には大勢の観光客が殺到する。でも一部の観光客がマナーを守らないから、環境に大きな負担が生じている。中国では一番きれいな海もだんだん青色を失い、草原も山もその美しさを失う一方だと、メディアはよく指摘する。そして、地元の人は困っている。

 直島に到着した9月1日、正直、びっくりした。年間30万人の観光客が来る島なのに、どこを見てもきれいだ。本村地区の路上にも、ベネッセハウスのビーチにもごみがほとんどない状態で、海も植物もしっかり守られている。

 それについて、直島福武美術館財団の福武總一郎理事長は「直島は現代美術を中心とする観光地だから、ここに来る人が大体美術に熱心で、素質が高い人です。みんな意識を持っていて、環境に悪いことをする人ではないことを固く信じています」と語ってくれた。

 

 

美しい直島は守りきれるか

 「民宿 石井商店」の石井竹男さん(63)によると、一般的な観光地と比べ、直島では、酔っ払って暴れる観光客はあまりいない。大半の観光客がマナーを守っている。そうはいっても、たばこやごみをポイ捨てする人、道路の真ん中を歩いたり自転車に乗ったりしている人もたまにいるから、困るときもあるそうだ。

 来年の瀬戸内国際芸術祭というと、観光客がいっそう増えるに違いない。来島者は増えて賑やかになったが、マナーは低下した、という事態は避けたい。

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※この記事は、09年夏の「直島・豊島インターンシップ(ベネッセ、直島福武美術館財団など協力)」で、瀬川至朗先生の指導のもとに作製しました。

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