科学技術 Archive

  •  医療技術の進歩でHIV(エイズウイルス)感染者の長期生存が可能になる中、子どもを望む人も増えている。荻窪病院血液科の花房秀次部長は、慶応大学医学部などとの共同研究で、精液から完全にHIVを除去する方法を開発した。これによってHIVに感染した男性が、母子に二次感染させることなく、子どもをつくれるようになった。HIV除去の技術とその安全性をめぐる議論について、花房医師に話を聞いた。

    HIV除去精子における議論

     医療技術の進歩でHIV(エイズウイルス)感染者の長期生存が可能になる中、子どもを望む人も増えている。荻窪病院血液科の花房秀次部長は、慶応大学医学部などとの共同研究で、精液から完全にHIVを除去する方法を開発した。これによってHIVに感染した男性が、母子に二次感染させることなく、子どもをつくれるようになった。HIV除去の技術とその安全性をめぐる議論について、花房医師に話を聞いた。

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  •  お産のイメージが強い産婦人科だが、近年、中高年女性を対象とする更年期医療が大きな柱となってきた。今年の日本産科婦人科学会で「骨粗鬆(そしょう)症治療薬の選択」というテーマで講演した新潟市民病院の倉林工・産婦人科部長は、「更年期女性の健康管理にとって骨粗鬆症は重点疾患の一つ」と強調した。産婦人科医による骨粗鬆症への取り組みについて報告する。

    産婦人科の骨粗鬆症治療

     お産のイメージが強い産婦人科だが、近年、中高年女性を対象とする更年期医療が大きな柱となってきた。今年の日本産科婦人科学会で「骨粗鬆(そしょう)症治療薬の選択」というテーマで講演した新潟市民病院の倉林工・産婦人科部長は、「更年期女性の健康管理にとって骨粗鬆症は重点疾患の一つ」と強調した。産婦人科医による骨粗鬆症への取り組みについて報告する。

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  •  産婦人科医の減少が止まらない。厚生労働省の調査によると1994年から2004年の10年間で医師の総数は3万6千人増え、26万人近くに上る。しかし、産婦人科医はその10年で876人減って7.9%マイナス。02年から04年の2年間には455人減少している。医療現場で何が起きているのか。4月下旬に横浜市で開催された日本産科婦人科学会の会場で、現役の産婦人科医に聞いた。

    産婦人科医の減少

     産婦人科医の減少が止まらない。厚生労働省の調査によると1994年から2004年の10年間で医師の総数は3万6千人増え、26万人近くに上る。しかし、産婦人科医はその10年で876人減って7.9%マイナス。02年から04年の2年間には455人減少している。医療現場で何が起きているのか。4月下旬に横浜市で開催された日本産科婦人科学会の会場で、現役の産婦人科医に聞いた。

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  •  骨粗しょう症になるのは、女性が圧倒的に多い。特に閉経後、骨粗しょう症になる人は急激に増える。こうした更年期からの女性の病気を考え、産婦人科として、生涯にわたる女性の健康管理に取り組む医師が増え始めている。

    女性と骨粗しょう症

     骨粗しょう症になるのは、女性が圧倒的に多い。特に閉経後、骨粗しょう症になる人は急激に増える。こうした更年期からの女性の病気を考え、産婦人科として、生涯にわたる女性の健康管理に取り組む医師が増え始めている。

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  •  HIV(エイズウイルス)を完全に除去した精子を用いて体外受精をする方法が開発・実用化されている。2006年4月22日の日本産科婦人科学会で、開発者の花房秀次・荻窪病院血液科部長が、HIV除去技術の現状と安全性について発表した。

    精液中のHIVを完全除去

     HIV(エイズウイルス)を完全に除去した精子を用いて体外受精をする方法が開発・実用化されている。2006年4月22日の日本産科婦人科学会で、開発者の花房秀次・荻窪病院血液科部長が、HIV除去技術の現状と安全性について発表した。

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  •  報道は、さまざまな面で大きな影響力を持ち、私達の生活に必要不可欠なものだ。しかし、正確さを欠く報道は、マイナスの結果を招くことにもなりかねない。4月下旬に横浜市で開かれた日本産科婦人科学会に参加した荻窪病院の花房秀次・血液科部長は「社会部記者が報じた不十分な記事」の実例を挙げ、科学記者が書く正確な医療記事に対する期待を語った。

    正確に伝えることの重要性

     報道は、さまざまな面で大きな影響力を持ち、私達の生活に必要不可欠なものだ。しかし、正確さを欠く報道は、マイナスの結果を招くことにもなりかねない。4月下旬に横浜市で開かれた日本産科婦人科学会に参加した荻窪病院の花房秀次・血液科部長は「社会部記者が報じた不十分な記事」の実例を挙げ、科学記者が書く正確な医療記事に対する期待を語った。

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  •  地球惑星科学関連の43の学会が加盟する日本地球惑星科学連合は、高等学校1年生の必修科目案として「教養理科(仮称)」を文部科学省に提案している。今年5月に開かれた同連合の第一回大会の会場で、浜野洋三・同連合代表(東京大学教授)は、「地学離れ」に対する連合の見解や試みについて語った。

    『地球人』として地学を学んで

     地球惑星科学関連の43の学会が加盟する日本地球惑星科学連合は、高等学校1年生の必修科目案として「教養理科(仮称)」を文部科学省に提案している。今年5月に開かれた同連合の第一回大会の会場で、浜野洋三・同連合代表(東京大学教授)は、「地学離れ」に対する連合の見解や試みについて語った。

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  •  米国、ロシア、中国が有人宇宙開発を推進する中、日本政府は今後10年、独自の有人宇宙船や宇宙ステーションの開発には着手しない方針だ。5月の日本地球惑星科学連合大会で講演した、宇宙航空研究機構(JAXA)総合技術研究本部参事の木部勢至朗さんに、日本の宇宙政策について話を聞いた。

    日本の有人宇宙開発のゆくえ

     米国、ロシア、中国が有人宇宙開発を推進する中、日本政府は今後10年、独自の有人宇宙船や宇宙ステーションの開発には着手しない方針だ。5月の日本地球惑星科学連合大会で講演した、宇宙航空研究機構(JAXA)総合技術研究本部参事の木部勢至朗さんに、日本の宇宙政策について話を聞いた。

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  •  地球や惑星を研究分野とする各種学会が集まってできた「日本地球惑星科学連合」が、2006年5月で設立1周年を迎えた。なぜ連合をつくる必要があったのか、今後の課題は——。連合代表の浜野洋三・東京大学教授に話を聞いた。

    日本地惑連合の過去と未来

     地球や惑星を研究分野とする各種学会が集まってできた「日本地球惑星科学連合」が、2006年5月で設立1周年を迎えた。なぜ連合をつくる必要があったのか、今後の課題は——。連合代表の浜野洋三・東京大学教授に話を聞いた。

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  •  「理科離れ」が叫ばれる中で、とくに深刻なのが「地学」の分野だ。(2006年)5月に千葉市で開かれた日本地球惑星科学連合大会で、浜野洋三・同連合代表(東京大学教授)に「地学離れ」の現状を聞いた。

    深刻化する「地学離れ」 解決策は?
    熊 巧迪

     「理科離れ」が叫ばれる中で、とくに深刻なのが「地学」の分野だ。(2006年)5月に千葉市で開かれた日本地球惑星科学連合大会で、浜野洋三・同連合代表(東京大学教授)に「地学離れ」の現状を聞いた。

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  •  2006年5月に千葉市の幕張メッセで開かれた日本地球惑星科学連合大会で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)総合技術研究本部参事の木部勢至朗さんが、各国の宇宙開発の現状、およびJAXAの長期目標についての講演を行った。日本の宇宙開発の重要性を強調する木部さんにインタビューした。

    JAXAが目指す有人宇宙開発

     2006年5月に千葉市の幕張メッセで開かれた日本地球惑星科学連合大会で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)総合技術研究本部参事の木部勢至朗さんが、各国の宇宙開発の現状、およびJAXAの長期目標についての講演を行った。日本の宇宙開発の重要性を強調する木部さんにインタビューした。

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  •  ブログをはじめとするインターネット上のジャーナリズム活動について考える、「オンライン・ジャーナリズム・ワークショップ」の第1回が(2006年)10月18日、早稲田大学大学院科学技術ジャーナリスト養成プログラム(MAJESTy)で開かれた。同プログラムの専任教員で、ワークショップの発起人である小林宏一教授が、アジェンダ(実施計画)を提示。また、各回での討論のもととなる仮説や問題を提起した。

    Web2.0時代のジャーナリズム

     ブログをはじめとするインターネット上のジャーナリズム活動について考える、「オンライン・ジャーナリズム・ワークショップ」の第1回が(2006年)10月18日、早稲田大学大学院科学技術ジャーナリスト養成プログラム(MAJESTy)で開かれた。同プログラムの専任教員で、ワークショップの発起人である小林宏一教授が、アジェンダ(実施計画)を提示。また、各回での討論のもととなる仮説や問題を提起した。

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  • その建物は、見るからに異様な感じがした。一見、どこにでもある平凡な木造2階建てなのだが、敷地いっぱいに建てられ、非常に重苦しい印象なのだ。明らかに容積率をオーバーしているが、それだけではない。前面は駐車場で塞がれ、そのほかの三面が隣接する家に取り囲まれている。つまり、このアパートは法律上の道路に接していないのである。敷地の隅を細長く延長して公道とつないでいるのだが、建築の専門家であれば、ただちに違法建築であることを見抜くだろう。建築基準法上、敷地が道路に2メートル以上接していないと建物を建てることはできない。

    構造設計の現場に迫る (1)

    その建物は、見るからに異様な感じがした。一見、どこにでもある平凡な木造2階建てなのだが、敷地いっぱいに建てられ、非常に重苦しい印象なのだ。明らかに容積率をオーバーしているが、それだけではない。前面は駐車場で塞がれ、そのほかの三面が隣接する家に取り囲まれている。つまり、このアパートは法律上の道路に接していないのである。敷地の隅を細長く延長して公道とつないでいるのだが、建築の専門家であれば、ただちに違法建築であることを見抜くだろう。建築基準法上、敷地が道路に2メートル以上接していないと建物を建てることはできない。

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  • 構造設計の現場に迫る (2)

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